2014.12.24
Timothy Prickett Morgan著

IBM、Power8製品ラインの穴を埋める

Power8は1ソケット及び2ソケットの、いわゆるスケールアウトPower Sクラスのエントリーマシーンで始まりました。続いてIBMはPower 770とPower 780をハイエンドのPower 795と統合して、Power8チップを使うエンタープライズPower Eクラスマシーン、新スケールアップマシーンを加えました。しかしながら、このミドルクラスとこれらエンタープライズクラスのマシーンの間に大きな穴が開いており、IBMは早期にこれを埋める必要性を認識しています。

IBMのPower Systemsラインを全世界ベースで担当している製品ディレクター、Steve Sibleyは「2015年には4ソケットシステムが提供されるであろう。ただ、2モデルになるか1モデルかはまだ決まっていない。私の推測では750クラスで、性能は760クラスと同じであろう。これは来年上期にリリースされると思う」と語りました。

もし、過去の歴史とSystem zメインフレームラインの命名慣習を参考にすれば、新しいミッドレンジのボックスはビジネスクラスと呼ばれてBの呼称が付けられると思います。この場合、可能性としてPower B850、Power B860と呼ばれて、2ソケットで始まり単一シャーシで最大4個まで稼働、異種の周辺機器の拡張、Power7+チップをベースにしていたPower 750とPower 760マシーンのように異なるプロセッサーカードのオプション、スケールアウトのPower8マシーンのようなデュアルチップが採用されると私は予測しています。

ちなみに、この最初のPower B850システムは、4ノードのPower E870のようなノードではないと思われます。E870はPower795に類似したアーキテクチャーを有しています。システムのタイミング、オペレーターパネル、フィールドサービスプロセッサー、Hardware Management Console (HMC)ポートと重要な製品データカードを制御するためのマスターシステムクロックとオシレータによるセントラルシステムコントロール・ユニットを有しています。Power B850はPower E870システムの単一ノードのような5Uシャーシを使う可能性が有ります。

Power 750+は、Power7+プロセッサーを3.5 GHzあるいは4 GHzで稼働させていた8コアのデュアルチップモジュールをベースにしていました。そしてPower 720+とPower 740+サーバーで使われていた4Uシャーシではなく5Uシャーシが使われました。Power 760+は、Power 750+と同じく5Uシャーシでしたが、1ソケット12コアのPower7+デュアルチップモジュールを使いました。Power 750+とPower 760+ともに1カードにつき1プロセッサーの1から4プロセッサーを有していました。

IBMは現在、128 GBカスタムDIMM(cDIMM)メモリーチップを使っている2ソケットのPower S824上で最大2TBまでサポートできます。しかしながら、当分の間は、64 GBのcDIMMを使っているPower E870とE880マシーン上で最大1TB/1ソケットあるいは2TB/4ソケットをサポートしているのみです。私の推測では、もしIBMがPower8のミッドレンジを二つのマシーンに分けるとすれば、Power B850のメモリーは512 GB/ソケット、Power B860は1 TB/ソケットになるでしょう。メモリー構成のこの違いは、IBMがPower 750+とPower 760+で採用した違いとまさに同じで、Power 750+は256 GB/プロセッサーカードで最大 1 TB、Power 760+は512 GB/プロセッサーカードで最大2 TBでした。

私は、多くのIBM iのショップが1 TBあるいは2 TBのメインメモリーを購入していた事実を信じ難く、課題は16 GBと32 GBメモリースティックのコストを如何するのか、また顧客はミッドレンジのマシーン上で64 GBあるいは128 GBのメモリーで何ができるのか、ということです。現代の標準に照らせばこれは大容量のメモリーではありませんが、フラッシュをシステムあるいはディスクに加えれば、メモリーが小容量でコンピューティング能力の劣るPower5あるいはPower6マシーンに比べて極めて俊敏なサーバーになります。Power 550はこの仮説に基づいた近い将来のPower8ミッドレンジマシーンのターゲットになります。今の課題は顧客がPower B850あるいはPower B860ではなく、Power S824に移行することに納得がいくか否かです。B850、B860はほぼ確実に一台あたりの演算コストが高く、またIBM i の高いsoftware tierになると思われます。どちらかといえば、もし顧客が自社のマシーンの処理能力を最大限に使用するためにディスクからフラッシュに、また小容量から大容量メモリーに移行することを決めれば、このようなミッドレンジのボックスはPower E870のセールスに食い込む可能性があります。それゆえにミッドレンジボックスが未だ発表されないのだと私は考えています。IBMは、私が名づけているPower B850の出荷が来年の上半期に始まる前にPower E870をできる限り多く販売してしまいたいでしょう。B850の出荷時期を来年4月あるいは5月と私は推測しています。COMMONミッドレンジのコンファレンスが開催されるのが4月末で、通常このタイミングで新製品が発表されます。IBM Edge2015コンファレンスはPower SystemsとSystem zの発表が行われ、来年5月11日から16日にわたり開催されることが決まっています。これもPower B850発表のタイミングです。私の推測では、COMMONではIBM i 7.1と7.2オペレーティングシステムに向けたTechnology Refreshが発表され、Edge2015は新しいミッドレンジハードウエアが加わるでしょう。

著者Timothy Prickett Morganは、発行責任者、IT産業アナリスト、編集者、及びジャーナリストとして25年の経験をも持ち、本稿の出典ニュースレターThe Four Hundredの編集者です。 さらに彼はEnterpriseTech、The Register、BusinessWeek、Midrange Computing、Unigram、ComputerWire、Computer Business Review、Computer System News及びIBM Systems Userの寄稿者として幅広く活躍しています。

ページトップ

ボタン