2014.12.24
Dan Burger著

2020年、プロセッサーテクノロジーがPowerとメインフレームチップを統合する可能性

過去に一度起きたことがあります。再び起き得るでしょうか?多くの人々はIBMがSystem iとSystem pラインを統合したことをご記憶でしょう。その結果がPower Systemsです。共有Powerプロセッサーと共通システムのアーキテクチャーは数字計算をしている人のレベルで理に適ったビジネス選択でした。またテクノロジーレベルでも大きな問題は残りませんでした。

しかしながら、これらふたつのラインの統合などは考えられない時がありました。Powerとメインフレームラインの統合など従来の考え方ではいま想像できないのも同じです。

「絶対に起きない」という観念を越えて、現在のプロセッサーテクノロジーのエンドポイントに沿ってiとpの統合を考えると、可能性のある単一プロセッサーの将来に向かって考えがまとまり始めます。

ばかげていますか?ちょっとお待ちください。実はIBM のSystem z部のゼネラルマネージャーRoss Mauriに尋ねてみました。彼はiとpが統合されたときのPower Systemsのゼネラルマネージャーで、私は彼とIBM Enterprise2014のコンファレンスで対談しました。このコンファレンスのゼネラルセッションではIBMがプロセッサーの研究開発に10億ドルを投入したことがトップエグゼクティブと研究者から繰り返し述べられました。

1990年代の中期、プロセッサーテクノロジーがバイポーラチップからCMOSチップに、月探査ロケットの打ち上げのごとく飛躍を遂げたとき、Mauriはメーンフレーム開発を率いていました。ただ、このテクノロジーは広く商業化するにはあまりにも新しく、コスト高であったため、なんらかの対応が必要とされました。しかしながらバイポーラチップのテクノロジーがその限界を越えることができなかったように、我々は今まさに約20年間にわたり業界で役立ってきたCMOSで同様の限界に近づきつつあります。

Mauriは「我々がバイポーラからCMOSに移行したとき、やがてCMOSもバイポーラと同じ運命を辿るであろうことは判っていた。ただ、現時点ではそれはまだ先のように思える」と述懐しました。さらにMauriは「いま、次の大事なことに投資しなければならず、PowerチップとメーンフレームのCMOSチップが両プラットフォームに向けてひとつのチップに統合するかどうかを考えることに関心が強い」と語りました。

ただ、Mauriは統合が近いことを示唆してはいません。いまCMOSテクノロジーは次世代のチップに取って代わられてはいません。しかしながら、そのときは来つつあります。

Mauriは「今日我々が目を向けているテクノロジーをベースにした2020年のタイムフレームで次は何であるかは私には判らない。何でも有り得る。」「我々はまだCMOSから手を引いてはいない。しかしながら、もしCMOSから移行しなければならないとすれば、我々及び業界にとって大変大きな転換となる。それはチップの基礎的要素を構築する新たな方法を意味し、またパッケージと相互接続に影響を及ぼす」と述べています。 注目されているテクノロジーには量子計算、カーボン・ナノチューブ、グラフェン、光コンピューティングなどが含まれます。しかしながら、これらの主流となっている対象をしのいで別の場所から何かが現れる可能性が有ります。

Mauriによれば、IBMはパフォーマンス、デンシティ、電気的特性などの飛躍的進歩に結び付く可能性のある複数のテクノロジーに投資しています。しかしながら、それだけが基準ではありません。製造コストも考慮されなければなりません。

Mauriは「もし製造コストが天文学的な数字になるのであれば、ビジネスとしては実行不可能。そこで、我々には何れが勝者になるか判らないので、種類豊富な結果に賭けている。Intelその他CMOSからチップを製造している誰もが同様の問題に直面している。我々皆がCMOSのパフォーマンスカーブの平坦化に影響を受けている」と述べています。現在のPowerとメーンフレームのチップに関して、両者の構造上の平面図は大変異なっています。将来、このアーキテクチャーは均質化される可能性が有るといえます。

Mauriは「新しいテクノロジーは均質化を容易にするか否かは判らない。しかしながら、新しいシステムの設計を考えるとすれば、統合に目を向けることになるであろう」と言います。これは、統合化システムのアイディアを推進するテクノロジーのことではなく、この場合は、Powerとメーンフレームです。そして単に事業上の理由で行われるであろうということです。これは私が考えたことですが、Mauriは否定していません。

「AS/400とRS/6000を振り返ってみて欲しい。両者は偉大ながら異なるアーキテクチャーであり、双方ともにIBMのチームによって構築された。ひとつは大変テクニカルなコンピュータであり、他者は見事に統合されて、使用が簡単であり、ビジネスシステムの稼働が簡単であった。しかしながら、最終的には、事業上の理由―スケールメリット―により我々は現在のハードウエアに統合した」とMauriは語りました。

また「システム統合こそ巧く目的を果たすべき挑戦」「そこには常に二律背反が存在する」とMauriは言います。そして二律背反が存在するとき、人々はそのシステムを構築し、そのシステムを販売し、そして片方ではそのシステムを使い、他方では損を被ったと思っている人々が存在します。

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