2015.01.28
Timothy Prickett Morgan著

Windowsに対するチャンス

AS/400が支配的で殆どのIBMミッドレンジのショップで使われていたときから長い期間が経過しました。周知のとおり、1980年代の末期から1990年代の初期にかけてクライアント/サーバーの改革がデータセンターを変えました。先ずはバックオフィスシステム用のある種の知的監視としてPCが使われることによって変質し、アプリケーションが大変使いやすくなりました。続いてPCはX86サーバーに変り、AS/400のようなデータベースシステムの付属コプロセッサーとして多く使われ始めました。

Windowsは馴染みやすく広く使われ、自然に多くの小規模企業のサーバー環境になりました。これらの小規模企業はPC上でWindowsを使い始め、データの収納具からデータの収納室、そして最終的には本格的なデータセンターに発展しました。大企業がAS/400とその後継機をキーとなるミッションクリティカルなアプリケーションに向けて使ったときでさえ、それらのアプリケーションはその他のネットワークに向けたAS/400のアプリケーションへのゲートウェイサービスを提供するために使われるX86サーバーの壁に囲まれていました。なおこれらのX86サーバーはまたOS/400マシーンあるいはemail及びコラボレーションサーバーを稼働させる作業からデータを摘み集めるためにも使われていました。IBMは、このようなフロントオフィスのアプリケーションをOfficeVision/400スイートによってAS/400で使うことを試みました。続いて1990年代の中期、まさにインターネットが始まったとき、IBMはMicrosoft、Novellその他が販売していたコラボレーション・ソフトウエアを反撃するためにLotus Development Corp.を買収しました。

いま20年が経過して、AS/400プラットフォームはIBM iプラットフォームを稼働させるPower Systemsマシーンに変りました。しかしながら、AS/400データセンターのハイブリッド・アーキテクチャーは変わることなくPower Systemsで存続しています。
多くのIBM iショップはIBM iとWindowsのワークロードをミックスして稼働させており、NetWareとUnixがデータセンターで極めて優勢であり、LinuxはPowerプラットフォーム上にしてもX86上にしてもIBMが期待していたほどは伸びていません。
IBMから得た統計によれば、OS/400とIBM iショップの85パーセント以上がこれらのマシーンと並行してWindowsプラットフォームを稼働させています。この統計は、もしこれらのショップがPowerベースを1システムあるいは多分2システム、または3システム持てば、その数倍のX86を持ったであろうということを示しています。

もしこれらの顧客の動きに一貫性があるとすれば、IBM iであれWindowsであれ最新を維持する顧客は少数です。私が見たデータとそれに基づいて作成したモデルでは、OS/400は30,000オーダー内外で、IBMによれば最新を維持しているIBM iのショップは約150,000ショップです。平均的に顧客の一社が一台あるいは一部の顧客が複数台を所有していると仮定すれば、200,000システムが存在することになり、それらの多くはPower5+あるいはそれ以前のバージョンです。そして、X86サーバーは数十万から数百万サーバーで、それらの多くはWindowsを稼働させていると思われます。

Power8マシーンの発売、System xサーバー部門のLenovoへの売却、および2015年9月のWindows Server 2003のサポートの終了は、IBMに10年に一度の比類のないビジネスチャンスをもたらします。Windows Server 2003マシーンは世界で8百万から1千2百万台使われていると思われ、それらの全てがアップグレードされるでしょう。 Windowsサーバーにパッチを当てないユーザーはいないからです。Windows Server 2003からWindows Server 2012への移行は極めて大きな混乱が起きることが予想され、Windows Server 10 (Microsoftのサーバープラットフォームの次期リリースがそのように呼ばれるのであれば)が近くに迫っています。古いバージョンのWindowsを使っているITショップは、OS/400かIBM iを使っているかにかかわらず、ベースとなっているWindowsプラットフォームのアップグレードとアプリケーションの移植あるいは新アプリケーションへの更新にちょっとした痛みを伴うでしょう。

企業がそのような大きなジャンプを考えているときは、新しいプラットフォームが入り込むビジネスチャンスです。現在、IBMは自社を守るためのSystem xあるいはWindowsビジネスを保有していないので、何らかの戦略を打ち出すべき機会といえます。戦略とは、Windowsの多くのワークロードを、Power Systems上で稼働している同等のソフトウエア・スタックで稼働させることです。Hewlett-Packard、Dell、そしていまLenovoといったIBMのX86ライバルたちは歴史を持つWindowsシステムによってミッドレンジショップに進入して、Windowsマシーンを最新のソフトウエアにアップグレードするだけでなく、ショップにOS/400とIBM iのアプリケーションをできるだけ多くWindowsマシーンに移行させるべく、そのビジネスチャンスに手ぐすねを引いています。

私が過去幾度も指摘したように、IBMとMicrosoftがWindows ServerのPower バージョンを殺すことなく生かし続けていればこれらのすべては極めて容易だったでしょう。しかしながら、IBMと同じく、Microsoftも多くの異なるチップのアーキテクチャーを持ってサポートすることに抵抗が有り、明らかに喜びながらMIPS、Power、及びItaniumアーキテクチャーのサポートを終了しました。そしてWindows ServerにARMプロセッサーのサポートを追加することは避けたいと考えているはずです。
もちろん今違っていることは、Microsoftは極めてスケールの大きいデータセンターであり、あらゆるアーキテクチャーによって巨大なサーバー環境を確保して競争力を強化しようとしています。ただMicrosoftは自身で使うためにARM を必要としているかもしれません。Microsoftはハードウエア・スタックと低価格オプションを緊密に制御する必要があり、またそれを欲しているので、ARMによってAzureクラウドとプラットフォーム・サービスに向けたWindows Serverのポートが可能になります。

IBMはこの絶好の機会に乗じて動き出す新たな年としていくつかのオプションを有しています。第一は、古いOS/400とWindowsを使っている顧客を支援してこれらのプラットフォームを単にアップグレードさせることです。IBMはSystem xをもはや販売はしないでしょう。しかしながら、サービスを売ることは確実に可能であり、顧客のアップグレードを支援して、MicrosoftとLenovoとの共同作業でアップグレードの取組で陣頭指揮を執ることができます。此処でIBMは顧客に特別の低価格を提供することができ、あるいは顧客がIBM iとWindows Server 2012にアップグレードするときにインセンティブを提供することができます。

もうひとつのアプローチは、古いIBM iあるいはAIXのリリースを使っている顧客が最新のIBM i 7.2及びAIX 7.1オペレーティングシステムへのアップグレードするのを、同時に多くのWindowsのワークロードをPower Systems上のLinuxに移行させながら支援することです。これは容易な作業ではありませんが、不可能ではありません。
IBM iのショップの多くのWindowsサーバーはメッセージングとグループウエアのためにExchange Serverを稼働させており、あるいはOLAPサービスとデータ・マートに向けてSQL Serverを 稼働させています。これらの機能の全てをPower上のLinuxに移植することができ、これはIBMが少し費用を出せばWindowsクライアントのユーザーの作業中断を最小限に抑える方法で遂行できます。例えば、OpenExchange Serverは、Exchange Serverの疑似Outlookを巧く作り出すことができます。IBMのUnixとLinux用DB2データベースはOracleデータベースの疑似データベースを作ることができます。しかしながら、私が知る限りではそれをSQL Serverのデータベースのように見せることはできません。これがまさしくIBM iのショップにWindowsデータベースのワークロードをPowerのパーティションに移行させることを真剣に考えさせる機能性です。

私は、Windowsのワークロードを持っているIBM iのショップにSQL ServerのデータベースをDB2 for iに移行させることがいかに難しいことかは解っています。例えIBMがIBM i オペレーティングシステムと統合DB2 for i データベースを提供したとしても、顧客はためらうでしょう。データベースが大変異なっているからです。しかしながら、もしそれがPower Systemsのセールスを推進し、またそれらのワークロードの移植が私の考えているよりも容易なのであれば、IBM i のライセンスを無償で提供しても理に適っているでしょう。従って、例えば、IBMは、IBM i 7.2 を稼働させるPower8ボックスにコアを移植する古いiSeriesあるいはSystem iマシーンを使っている顧客に対して、今までSQL Server上で行われていた作業を移植するためにIBM iのライセンスを備えた無償のコアを提供することもできます。あるいは顧客がひとつのコアを支払うことで二つのコアを無償で提供することもできます。同じことがExchange Serverと他のMicrosoftのミドルウエア及びシステム・ソフトウエアにも言えます。

ポイントは、ここにビジネスチャンスが有り、IBMはこれを掴まなければならないということです。このような機会はこの先長く再びやってくることは無いでしょう。問題は、IBMがそのサービス・スキルとこのようなことを積極的に押し進める意思が有るかどうかです。もしIBMが顧客をWindowsから引き離してPowerに転換させることを押し進めるプログラムを作成してパートナーを参加させれば、それはPower Systemsラインの長期生存に向けて大変重要なことと言えます。いかなる新世代のチップよりも重要だと思います。

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