2015.02.25
Timothy Prickett Morgan著

IBM、新しいビジネスマシーンを反映させて組織を再編

IBMは昨年多くの変更を実行しましたが、さらに今年CEO Ginni Romettyは同社の新しい状態を反映させ、また痛みを伴う変革が進んでいる世界経済の行く先を見越したビジネスチャンスを反映させて一部の組織と人事の変更に着手しました。
情報技術と経済は長きにわたって変化を遂げてきましたが、その原因と効果を明確にはできません。しかしながら、IBMは10年以上にわたりそれらの変化に適合してきたといえます。

Romettyは年初、組織変更とその背景にある根拠を説明する社内レターを全社員に送達しました。

Romettyの書簡には「1年前、我々が戦略を提示して言ったことは、IBMの投資、企業買収、事業部門の売却、及びIBMのプラクティスが、戦略的に不可欠なデータ、クラウド、雇用によって形を変えられるであろうということ。顧客が我々の戦略を受け容れて新しいテクノロジーに投資してくれたので、昨年は我々の戦略の正しいことが立証された。我々の業界は急速に転換しつつある。そしてIBMは2014年をとおして数多のシグニチャー・モーメントで明らかのごとく積極的に動いた。これらには、IBM Watsonの形成、SoftLayerクラウドの世界的な展開、Power8の出荷、サービスとしてのクラウドプラットフォームBlueMixの創造、次世代のセミコンダクターのR&Dへの30億ドル投資、Cloudantの買収、Watson Analyticsのスタート、x86サーバーとセミコンダクター製造の売却、エンタープライズ・モバイルにおけるAppleとの提携、SAP及びTencentとのクラウド・パートナーシップ、TwitterとのBig Dataパートナーシップが含まれる」と記されています。

IBMはRomettyがIBMのトップに昇格するステージを設定した大掛かりな組織変更が行われた2010年7月、大変収益性の高い部門、Software Groupと、あるときは黒字ながらあるときは不採算ハードウエアとなるSystems and Technology Groupとを統合しましたが、両グループを垂直的な関係の組織にはしませんでした。両グループは一人のエグゼクティブの下に統合されたのですが、財務報告は両グループがそれぞれ独立して行われ、両グループがそれぞれ別々に運営されました。しかし、米国で昨年10月、ヨーロッパで今年1月にクロージングされたSystem x部門のLenovo Groupへの売却によって、IBMはシステム事業を全体として捉えるのに適合した組織になったように思えます。

これを受けて、新たなIBM SystemsグループはPower SystemsとSystem zメインフレームサーバー、種々のテープ、ディスク、フラッシュストレージ製品、オペレーティングシステム及びミドルウエアを単一の部門に包含します。Systems and Technology Groupを統率していたTom RosamiliaがIBM Systemsグループを率いることになります。私にとって興味深いのは、今後IBMはシステムビジネスで何が実際に収益をもたらしたかを明確に示す収益報告を行うであろうということです。これはずっと昔に行われるべきでした。IBMは顧客の大部分にサーバー、ストレージ、及びソフトウエアを統合して売っており、もしこの点に強さを示したかったのでれば、ずっと以前に多分財務報告の方法を変えていたでしょう。IBMが自身のシステムには結びつかないミドルウエア、データベース、及びアプリケーション・ソフトウエアの販売をどのように説明するかに興味が引かれるところです。

またIBMは組織再編の一部として、長年Software Groupのリーダーを務め、最近ソフトウエアとシステムの結合ユニットの運営に選ばれたSteve Millsをソフトウエアとシステムを担当するエグゼクティブ・バイスプレジデントに任命しています。Millsだけが唯一エグゼクティブ・バイスプレジデントで他のリーダーたちはすべてシニア・バイスプレジデントの肩書になっています。この肩書変更には意味があります。ソフトウエア資産は種々のIBMグループ(新IBM Cloud グループを含む)に組み込まれ、また独自のマネージャーを有している垂直スタックに組み込まれるにもかかわらず、Millsはすべてのソフトウエア資産を掌握する任務を与えられています。Romettyは「彼が我々の重要なテクノロジーのパートナーシップと顧客、国、我々の産業を含む関係にリーダーシップの役割を発揮してくれると期待している」と述べています。

Systems and Technology Groupが無くなったことで、IBM Researchは何処かに行かねばならないのですが、IBM R&D部門のシニア・バイスプレジデント及びディレクターに昇格したArvind Krishnaが率いる独立部門に現在なっています。KrishnaはJohn Kellyを引き継いでおり、Kellyは現在ソリューション・ポートフォリオとリサーチのシニア・バイスプレジデントのポジションに就いています。Krishnaは最近までSystems and Technology Groupの中の開発と製造を担うゼネラルマネージャーでした。彼はPower8プロセッサーを創ったチームを率いたリーダーであり、またIBMのデータベースビジネスを長年運営したリーダーで、Software GroupとIBM Research部門でキーとなる技術的役割を担っていました。

Kellyは新しく役割を担うR&Dについて、過去20年間におけるIBM内の動きを明らかにしています。IBMの科学者と研究者が行っている研究と開発との結びつきが強化されたこと、及び顧客の問題解決に向かっての連携の強化です。KellyはIBM Researchと新しいクロス・プラットフォームの事業3部署との橋渡しを行います。それらは、Bob Piccianoが率いるIBM Analytics、Deepak Advaniが率いるIBM Commerce、Brendan Hanniganが率いるIBM Securityです。Romettyによれば、これらすべての部門はアナリティクス・コンポーネントを持ち、これらの部門及びプロフェショナルサービスに結び付くソフトウエア資産を持ちます。また各部門はハイブリッドのクラウドを提供し、オープン・プラットフォームと地球規模のエコシステムをサポートします。私は、IBMが作るこのスタックはIBM自身のシステム、その他のシステム、同じくSoftLayerクラウド及びその他の大規模クラウドで利用できるものと思います。

これらの新しいグループは昨年形成されてMike Rhodinが率いているIBM Watsonグループに似ています。IBMはまたIBM Healthcareと呼ばれる他の産業に焦点を絞った部門を編成しています。これはRhodinがIBM全体にわたるハードウエア、ソフトウエア、サービス、及びリサーチを使って作り上げます。

これらの部門の全てのエグゼクティブ及びKrishnaはKellyが新組織での直属の上司になります。PiccianoはIBMのLotusグループウエア事業、ソフトウエア全般と開発、及びLinux、Windows、Unixプラットフォームで稼働しているDB2データベースのサポートを担うゼネラルマネージャーでした。Deepak Advaniは、統計分析用ソフトウエアのメーカーであるSPSSでIBMが買収する前のCEOで、最近はシステムとクラウド用の管理ツールを担当していました。HanniganはIBMが2011年10月に買収したQ1 LabsのCEOで、Q1 Labsは前のセキュリティー部門のベースとなった法人です。RhodinはIBM Watsonの役割を引継ぐ前はソフトウエア関連のゼネラルマネージャーでIBMのSoftware Solutions Groupを率いていました。このグループはSmarter Commerce、Smarter Cities、ビジネス分析、ソーシャルビジネスを販売していました。RosamiliaはIBMの種々のシステム部門を引継ぐ前、IBMが大きな成功を収めたWebSphereミドルウエアビジネスを担っていました。

今回の大きな変更はIBM Cloudグループの新設です。このグループは長期にわたってIBMのエグゼクティブを務めてきたRobert LeBlancが率いることになります。SoftLayerクラウド、Cloud Managed Services (CMS)はSmartCloudとOpenStackに由来しており、オープンソースCloud FoundryツールのBlueMix商業化バージョンがこの新グループに置かれます。LeBlancは、過去IBMのTivoliシステム管理とWebSphereミドルウエアラインを担当していました。RosamiliaとLeBlancの直属の上司がRomettyになるようですが、IBM社員向けのメッセージでは明確になっていません。

組織変更とは別にもし何かが感じられるとすれば、ソフトウエアがIBMにおけるシニアポジションへのコースだということです。

Romettyは、今回のIBM社員へのメッセージのなかで、「IBMソフトウエアは当社のあらゆる部門の必須要素となっている。我々のソフトウエア・ポートフォリオが世界のコア・ビジネスシステムの礎であることがその理由であり、我々が顧客に提供しているクラウドベースソリューションの拡大の力となっている」と述べています。

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