2015.08.27
Guild Company, Inc.
Timothy Pricket Morgan著

PurePower統合システムの内部を覗く

IBMがSystem x部門をLenovo Groupに売却したとき、同時譲渡されたひとつがモジュラーFlex Systemのシャーシーでした。IBMはそのマシーンをLenovoから調達することになると言い、また継続してFlex Systemsに向けたPowerベースのノードを製造、販売し、望む顧客のためにPureApplicationの統合システムを作ると言いました。

しかしながら、Power8チップが市場に出てから1年が経過した今も、Power8をベースにしたFlex Systemsのノードは無く、IBMが売却以来統合インフラについて実際はどのように考えているのか判らず、また5月11日にPurePower Systemが発表された事実から、IBMがPowerベースの統合システムを、伝統的なラックベース、スケールアウトのシステムで構成されるクラスターのベースにすることを意図しているのが明らかです。PurePowerクラスターに関しては発表レター(announcement letter 115-068)で詳しく述べられています。さらに発表レター(announcement letter 215-222)でIBMの方向が判ります。このレターによれば、将来のPureApplication V2.1システムが今年後期に発表され、このシステムはPower8マシーン、特にPurePowerのアーキテクチャーをベースにしています。これは疑う余地なくIBMの将来の統合システムはPurePower Systemsであり、Flex Systemではないということです。

それではPurePower Systemとはどのようなシステムで、その目的は何でしょうか。
当初のPurePower Systemは(AIXあるいはLinuxをサポートする)Power S822ノードあるいは(Linuxのみをサポートする)Power S822Lで構成されます。当初のセットアップはRed Hat Enterprise Linux(RHEL)を使うことができます。しかしながら、5月に遡って、Power Systemsラインの生産管理を担うディレクターSteve Sibleyは、SUSE Linuxの Enterprise ServerとCanonicalのUbuntu Serverが最終的にこれらの事前構成クラスター上でサポートされることになると述べました。当分の間、ストレージについて、IBMはPurePower SystemsクラスターのなかでStorwize V7000ディスクアレイを使いますが、いずれローエンドのStorwize V5000あるいはV3500アレイとFlashSystemのオール・フラッシュアレイによるバリアントになると思われます。AIX 7.1がIBMのUnix上に構築する顧客、あるいはAIX上でワークロードの一部を稼働させる顧客のオプションになるでしょう。AIXとRHELの双方がPurePower Systemsの出荷が始まった6月19日時点で使用することができるようになっていました。さらに他のLinuxとIBM iが将来いつか使用可能になるでしょう。IBMはまだ決定していませんが、IBM iのバージョンはPower S824ノードとStorwize V3500アレイをベースにする可能性があります。

製品情報01

これは特に密度が高いといえる構成ではなくプライベートクラウドを造るために自動化クラスターを配備するLinux顧客に明らかに狙いを定めています。IBMはOpenStackクラウドコントローラー、PowerVMハイパーバイザー、PowerVCセキュリティーソフトウエア、及びオープンソースのNagios構成管理ツールをベースにした管理ソフトウエアのスタックを作成しました。IBMのHardware Management Console (HMC)はこのスタックの一部です。IBMはFlex System Managerは使っていません。このツールは前Flex Systemモジュラーシステムのツールで、現在はLenovoが所有しています。IBMはPureFlexとPureApplicationセットアップの顧客をPurePower Systemクラスターに移行させることを計画しています。

PurePower Systemセットアップは1ラックについて最大12のサーバーノードを有しています。IBMは、このシステムのX86ノード上でLinuxを稼働させようとはしていません。しかしながら、このクラスターを管理するPurePower System Management Node (概要は発表レターannouncement letter 115-067をご覧ください)はIntel のXeonプロセッサーをベースにしたペアの冗長ノードを実際は基盤としています。ある時点で、この管理ソフトの全てがPowerに移植されるべきであり、そこでPowerは真のPurePowerになり得ます。

PurePower Systemはふたつのコンピュート・ノード、StorwizeV7000アレイ、サーバーをストレージに繋ぐBrocade SAN48B-5 Fibre Channelスイッチ、サーバーとストレージを管理するペアのLenovo RackSwitch G8052R 48ポートEthernetスイッチ、及びMellanox TechnologiesのSX1710 Ethernetスイッチのペアを有しています。このスイッチには10 Gb/秒、40Gb/秒、あるいは56Gb/秒で稼働できるポートが36ポート有ります。これらはサーバーノードを互いに接続するために使われます。基本構成には1台のラックとペアの管理ノードが含まれています。フル構成はコンピュート、ストレージ、同じく統合構成を基盤にしています。最大のコンピュート構成は12ノードのPower S822ノードあるいはPower S822Lノード及びひとつのStorwize V7000アレイを有しており、最大のストレージ構成は2ノードのコンピュート・ノード、ひとつのStorwize V7000及び10個のV7000拡張筺体を有しています。統合構成は9ノードのコンピュート・ノード、ひとつのV7000、3個のV7000筺体となっています。

上記にも述べましたが、とりわけ高い密度の構成ではなく、IBMが狙いを定めている企業やサービスプロバイダーいった真のスケールアウトの顧客はラックでそれほど多くの部屋を取らない2ソケットのPower8システムを必要とするでしょう。Power8チップがどれくらいの熱を発するかを考えれば、これはちょっとした課題です。IBMはFlashSystemオール・フラッシュ・ストレージをクラスターに追加しなければならないでしょう。しかしながら不思議なのはなぜそのオプションが無かったのかということです。オール・フラッシュ・ストレージ上で稼働する多くのワークロードが有ります。IBM iの顧客ということになれば、このボックスは明らかに顧客自身ではなくサービスプロバイダーを狙っています。Power S824マシーンを2台以上必要とするIBMベースは極めて少数に過ぎません。

IBMがサービスプロバイダーに向けて、IBM iのライセンスと同様に、強引な価格体系を設定するかどうかに関心を引かれます。パフォーマンスと価格の観点からIBM iバージョンを手の届く距離に置くことはIBM iのエコシステムの安定のための鍵となります。IBMはこのことを確実に知っており、短期的ではなく長期的に考えるでしょう。

長期的には、PurePower System ブランドによる大変密度の高いPower8+及びPower9サーバーが予想され、それらのマシーンはIBM自身ではなくIBMのOpenPowerパートナーによって作られると思います。それらのマシーンがIBM iをサポートするか否かは現時点では不明ですが、IBMがパートナーにIBM iクラウドの構築を望むのであれば、それらのマシーンはIBM iをサポートするに違いありません。

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