2015.08.27
Guild Companies, Inc.
Dan Burger著

IBM i 6.1のアップグレード

IBM i 6.1オペレーティングシステムのサポートが9月末で終わることで、IBM iのコミュニティーがどのような影響を受けるかは誰もが知りたいところです。しかしながらプライマリーOSとして6.1を使っているユーザーにとっては他人ごとではありません。ただ、アップグレードは複雑ではありません。なお、IBMは期間をまだ定めていませんがサポートの延長プランを有しています。しかしながら、サポートされないユーザーについてはどうなのでしょうか。

6.1の終了は、このバージョンのリリースが始まり、V5R4が終わったときほどは大きな問題になっていません。6.1の出荷が始まったのは2008年3月で、IBM iのショップはこのときが困難な時期の始まりでした。IBM iコミュニティーの多くの人々はこのときを覚えています。OS/400とその後継バージョンのオペレーティングシステムを支えるTechnology-Independent Machine Interface (TIMI)が発表されました。TIMIはアプリケーションの互換性を維持したままで多くの世代のハードウエアのアップグレードを可能にしました。しかしながら、このアップグレードは再コンパイルを必要としました。再コンパイルは1988年System/38からAS/400に移行して以来要求されなかったことです。プログラムの変換処理は多くのショップにとって骨の折れる作業で、特にソースコードを持っていないショップにとっては困難なため、多くの顧客をOS/400 V5R4に踏み止まらせる結果となりました。

6.1のサポート終了が大きな話題にならない理由のひとつは、現在6.1を稼働させているIBM iのショップの数がV5R4のサポートが終わるときにV5R4を稼働させていたショップの数に比べてはるかに少ないからです。さらにもうひとつの理由は6.1から7.1へのアップグレードが容易だからでしょう。

6.1のサポート終了に直面しているいま、対応のための良いアイディアを求めて、筆者はアーキテクチャーと管理のコンサルタント企業、Agile Technology Architects社のCEO、Jim Oberholtzerに聞きました。Oberholtzerは19年間COMMONユーザーグループのメンバーでありCOMMON Board of Directorの一員を務めた人です。

Oberholtzerは「ほとんどのユーザーはアップグレードを新しいハードウエアへのマイグレーションの一部分として行うであろう」「最大の理由は、古いハードウエアのメンテナンスのコスト。私はPower5とPower6のハードウエアを使用している顧客をたくさん持っているが、それらの顧客はメンテナンス期間(3年)の満期を迎えようとしている。しかしながら、Power5あるいはPower6のメンテナンスを更新した場合、そのコストの方がPower8へのアップグレード・コストよりも高くなってしまう」と説明しています。

彼は「但し、これは包括的に言えることではない。コストは当然そのボックスに取り付けられているハードウエアの量によって異なる。いずれにしても、ビジネスパートナーたちはメンテナンスのコストとの比較でPower8へのアップグレードの方が適切であることを明らかにしやすい」述べています。

「今まで多くのIBM iのショップは処理能力には特に不足が無かったので重要な問題にはならなかったが、いま処理能力の増強が切実になりつつある」「そのひとつの理由は、高い処理能力と大きなメモリー容量を必要とするWebベースのアプリケーションが増えているため」とOberholtzerは言います。

OSのアップグレードが時宜を得て行われているもうひとつの理由はユーザーの法規制の順守が起因しています。サポートされていないソフトウエアを稼働させていた場合、コンプライアンス監査人の憤怒を招くことになるからです。

IBMはIBM iのインストールベースの数に対して異なるオペレーティングシステムを稼働させているショップの数の比率を正しく把握しています。しかしながらその情報を明らかにはしていません。ただ、HelpSystems社が行った調査2015 IBM i Marketplace Surveyによれば、調査対象の24パーセントが6.1をプライマリーOSとして稼働させており、63パーセントが7.1を、4パーセントが7.2を稼働させています。またV5R4が7パーセント、V5R4以前が3パーセントとなっています。この調査は2014年後半に収集した情報に基づいています。

Oberholtzerが関わっている或るショップは7年前からWindowsのプラットフォームに移行してきました。
Oberholtzerは「このショップはIntelの機器に数百万ドルを費やした。IBM iのプラットフォームであれば15万ドルで済んだはずだった」と述べています。

ところで、Oberholtzerによれば、顧客が6.1 から7.1あるいは7.2にアップグレードするのを差し控える理由が他にあります。独立ソフトウエアベンダーによるアプリケーションの保証がオペレーティングシステムのペースに付いて行けない場合があり、また自社製のアプリケーションが6.1より新しいリリースと互換性が無い場合があるからです。さらに、サポートが6.1のレベルで止まっているI/Oあるいはストレージシステムが存在することも理由のひとつです。

しかしながら、Oberholtzerが指摘しているように、IBM i 6.1から7.1及び7.2へのアップグレードを駆り立てる要因は古いボックスを稼働させた場合のメンテナンスコストです。ショップがハードウエアの保守契約を更新する時点で、ほとんどのショップは新しいボックスの購入を選択するでしょう。そしてそのOSがIBM i 7.2です。

なお、6.1の延長サポートが2018年9月30日まで継続された場合、このサポート期間は10年以上になります。

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