2015.10.28
Timothy Prickett Morgan著

IBM i はPower10プロセッサーで何をする?

ここ数年間、必要とするものと提供されるものとのギャップがますます広がってきていますが、IBM iのベースで我々はこのことについて多くは触れていません。数多くのショップはIBM iとLinux、あるいはAIXのワークロードをミックスして、必要と提供のギャップが広がっていますが、IBM iのプラットフォームはそのデータセンターで他との連携を取らずに稼働しているのが実情です。

IBM iを稼働させている顧客は処理能力という点ではその使用量が非常に少ない傾向があります。この傾向は1995年に遡ってプロプラエタリーのCISCからPowerPC AS RISCへジャンプしたときから始まりました。顧客たちのワークロードの量はムーアの法則のペースを越えて増えるようなことはなく、顧客は処理能力を増やす必要はありませんでした。
別々のマシーン上で処理されなければならないワークロードを単一マシーンで可能にした論理区画による効率の向上に加えて、Power SystemsとIBM iが組み合ったことにより、売上収入の総額は1990年代後半の全盛期に比べて、顕著に減少していることは間違い有りません。これは現存のメーンフレーム、Unixシステム、その他のプロプラエタリー・マシーンも同様です。

多くのUnixとプロプラエタリー・マシーンを打ち負かしたX86サーバーは競合の結果によって伸びています。この成長はX86のWindowsが多くの中小企業に狙いを定めたプラットフォームであり、X86のLinuxがGoogleやFacebookにおけるウエブスケールのインフラ、金融サービス企業におけるリスク管理システム、あるいは大規模製造業におけるシミュレーション・システムに限らず、最新の分散コンピューティングに適したプラットフォームであるからです。また、パブリッククラウドはX86のアーキテクチャー上に多く構築されています。しかしながら、X86プラットフォームがデータセンターで享受していた成長カーブは長くは続かないと思われます。Intelがストレージ、ネットワーク、テレコミュニケーション市場にチップで参入するべく強い関心を抱いているのはこれが理由です。処理能力とストレージ容量へのとどまるところのない要求が有る一方で、その要求は予算や他の要因で抑えられています。ワークロードは誰もがスマートフォンを持ち、インターネットを利用することによりある時点で急速に増える可能性があります。人々は一週間に幾度も銀行口座残高を確認し、我々の多くが大量のデータを使い尽くします。現時点はその段階ではありませんがいずれ到達します。

これらのことを念頭において、将来のPowerチップのロードマップを見てみましょう。
下図は最近明らかにされたものです。

製品情報01

これはIBMが顧客とパートナーにPowerプロセッサーの2020年とそれ以降に及ぶロードマップを示したものです。我々はこの種の確認が必要なのです。IBMがPowerプラットフォームの再活性化に意欲的であり、Powerプラットフォームをデータセンターに強く浸透させたいと欲していることを考えると、ロードマップをもっと公にしないのが不可解です。このロードマップは多くを語ってはおらず、もしこれが技術的にどのような意味を持っているのかさらなる詳細に関心があれば筆者が書いたtake a look at the bit I wrote for The Platformをご覧ください。IBMが公開したこのロードマップは主にハイパフォーマンスのコンピューティングに焦点を合わせていますが、テクノロジーが一般的な目的のシステムにも状況に合わせて変化し、適合されるであろうことは明らかです。

KS2 Technologies社のシステム・アーキテクト、Doug Fulmerが先般IBM iのインストールベースで顧客はいま実際にどのマシーンを買っているかを教えてくれました。
KS2がビジネスを行っている圧倒的多数の企業が4コアのPowerマシーンでアクティブにしているコアはただ1個です。これは、16 TBの巨大メインメモリーに対応する16個のプロセッサーソケットを有し、単一システムで最大192コアまで拡大できる12コアのPower8プロセッサーを持つサーバー・アーキテクチャーひとつです。

Fulmerによれば、2006年に遡って平均的なOS/400の顧客はIBMのCPWベンチマークテストに基づく285 CPWから385 CPWの性能を使っていました。昨今は、4コアでその中のただ1個がIBM iオペレーティングシステムを稼働させているPower7+及びPower8で、平均的な顧客は1,000 CPWから1,500 CPWの間です。そしてこれは約9,900 CPWの処理能力を提供できるひとつのコアです。したがって、IBM iのインストールベースの大部分を占める中小企業のショップの平均的なマシーンは、CPU最大能力の10パーセントから15パーセントしか使っていないということです。

仮定としてIBMが現在の針路を固持してIntelが行っているようにムーアの法則ゲームを演じようとします。一部は22ナノメータから14ナノメータへの縮小に進みますが、ほとんどはコアに進みます。多分Power9が16コアあるいは18コアで現れます。多数のeDRAMキャッシュによる16コア、多数のNVLinkとCAPIポートになると思います。10ナノメータまでの縮小は無く、多分コア数は20でしょう。いずれの場合もマイクロアーキテクチャーが改善されクロックのパフォーマンスが向上します。Power9はPower8と比べて多分20パーセント以上能力を強め、Power10はPowewr9と比べて20パーセント以上強力になります。2020年までに1コアについて15,000 CPWになり、2ソケットのサーバーは40コアを有し合計600,000 CPWのパフォーマンスに至ると思われます。

次に、同じくIBM iのショップにおけるワークロードの伸展を想定しましょう。2006年にIBM iを稼働させていた平均的な中小企業のショップは325 CPWでしたが、9年間で最新のマシーンによって平均1,250 CPWに上昇しました。これはCPWの使用が1年につき平均18.5パーセント伸びたことになります。サーバー事業はそのような速度で伸びてはいません。問題はIBM iのワークロードが極めて低いことです。したがって、2015年から2020年にかけて同じ成長率を予想すれば中小企業のショップがワークロードの稼働に必要とするのは3,500 CPWというところです。ギャップは若干縮まるでしょうが、なお単一のCPUで23パーセントの使用率です。IBM iの中小企業のショップは2028年までPower10のコアを必要としないと思われます。これらのショップはなお数千のCPWを残すことになります。少し時計を戻しましょう。2004年から1.65 GHzで作動していたPower5 チップは3,300 CPWを提供することができました。これは平均的な顧客が今日必要としているCPWの2倍です。それは4コアのみのPower S814のようなP05クラスのボックスではなくP20クラスのマシーンでした。

昨年Power8のエントリーマシーンが発表されたとき、この4コアのマシーンはその発表には含まれておらず、IBMは4コアのバリアントを欲していることをビジネスパートナーに定かにしていなかったことは確かです。このマシーンは有るとすれば9月に予定されていたのですが、パートナー及び推察するに顧客が騒ぎ立てた後、6月に急遽出荷しました。このときIBMはIBM iの顧客が必要とする以上の多数のコアを搭載したP10クラスのマシーンのみを発売しようと考えていたようで、少々戸惑いを感じました。 多くの顧客ベースはP05で、実をいえば多分P02を使っていたと思われます。

IBMはIBM iが行ういっそう多くの仕事を早く見つけ出し、それを顧客が行うように説得する必要があり、あるいはIBM iの顧客のニーズに適合したより良いマシーンを作る必要があります。

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