2016.01.14
Timothy Prickett Morgan著

Power Systemsの3Q業績、再び売上増

IBM Systems GroupのPower Systems部門は、四半期ベースで3期連続して売上の伸びを達成しました。Powerコミュニティーの顧客、リセラー、そしてソフトウエア開発者が期待していたことです。しかしながら、USドルの価値が他通貨に対して上昇したため国外の売上をIBM本社の勘定に連結すると数字上では伸びが鈍ります。

IBMはPower SystemsとSystem zの売上数字を個別には開示しませんが、CFOのMartin Schroeterはウオール街のアナリストに向けた業績報告でPower Systemsの売上が2パーセント上昇したことを明らかにしました。ただ、過去には例が無かったことですがUSドルによる売上の増額は開示していません。我々はUSドルが9パーセント上昇したことがIBMの第3四半期の業績に逆風になったことは判っています。そしてこれらの数字からPower Systemsの売上が米ドル換算では7パーセント減少したことが推測されます。ただ、我々はPower Systemsの売上額の減少がIBM全体の減少率よりも少ないとは思っていません。しかしながら、難しい推測です。

Schroeterは、当該四半期におけるPower Systemsのセールスについて多くは語りませんでしたが「エントリーレベルとハイエンドシステムの双方で伸びを示した。これにはLinuxベースのシステムにおける強い伸びと顧客の導入が続いたことが含まれる」と述べています。またSchroeterは新Power Systems LC ラインをトピックに取り上げました。TyanとWinstronからのOEM製品で、スケールアウトのクラスターにLinuxを実装しようとしているスケールアウト・クラスターの構築者に的を絞って狙いを定めた製品です。 しかしながら私は以前にも言いましたが、LCシステムはIBM iを稼働させることはできません。以前にも指摘したとおり、Power Systemsラインの売上と利益を増やすことはIBM iのプラットフォームを長期的に増強するのに役立つものであり、併せてIBM iのショップにとって望ましいことです。なお、Schroeterは「Powerのこれらの業績は、我々がオープンのエコシステムを受け入れながら、データとクラウドを連携させるために継続してこのプラットフォームの転換を図っている進捗を反映している」と付け加えています。

メーンフレームのSystem zラインは、z13が好調を続けて、20パーセントの売上増となりました。

IBMのストレージビジネスは継続してプレッシャーを被っており、FlashSystemsのオールフラッシュ・ストレージ・アレイは好調ですが、ハイエンドのディスク・アレイは、以前クラスターのディスクシステムに取って替わられた大型SMPサーバーのように、 下り坂を辿っています。IBMは特定の顧客には触れませんでしたが、全体のストレージセールスは当期14パーセントの落ち込みでした。

IBMシステムのハードウエアグループが外部顧客に販売した合計額は14億9千万ドルで、これに社内のSoftware GroupとGlobal Serviceなどの他部門に販売した金額1億2千百万ドルが追加されます。最近数ヶ月のコスト削減にもかかわらず、Systems Groupは税引き前2千4百万ドルの赤字を計上する結果となりました。これは1年前の9千9百万ドルの赤字に対しては改善されていますが、Systems zのセールスがバブル状態であった第2四半期の営業利益の10分の1に過ぎません。基本的に、IBMはハードウエアのセールスをブレークイーブンに持ってゆくためには約16億ドルの売上が必要となっています。2015年に関しては、Systems Groupの社外、社内への総売上が55億3千万ドルで、税引き前利益2億5千5百万ドルを計上しました。これは売上額の4.6 パーセントに該当します。約36億ドルはサーバーの売上で16億9千万ドルがストレージの売上、残る1億6千6百万ドルがこれら以外の製品売上となっています。

我々にはSystems GroupがIBM iプラットフォームから得た収入の金額は判りません。以前AS/400、iSeries、Ssytem iのときには具体的に数字が明らかにされたのですが、現在の発表形式になってすでに数年が過ぎています。この数字を推測するのは困難です。

同じく、Software Groupが第3四半期に計上した総売上額59億2千万ドルのうちIBM iのショップから得られた売上額は我々には判りません。我々が言えることは、Software Groupはソフトウエアライセンスの販売で逆風に立たされており、また一般的にオペレーティングシステムの売上は下降圧力が掛かっているということで、この状態は長く継続するとSchroeterは予測しています。データベースとWebSphereミドルウエアはそれぞれ1パーセントの伸びですが、Rational開発ツールは11パーセントの下落、Tivoliセキュリティーとシステム管理ソフトウエアは2パーセント減、Workforce Solutionsカテゴリー(Lotus及び他の製品を含む)は3パーセントの減収でした。

Global Serviceの売上は124億5千万ドルでしたが、IBMの成長の足を大きく引っ張って11.5パーセント減となっています。この巨大サービス部門は顧客から毎月ソフトウエアメンテナンス料金を収受していますが、ほとんどのIBM iのショップはこの部門に無関心です。しかしながら、IBMの活動はある程度Global Service部門が原動力になっており、この部門の収入はIBM総収入の半分以上を構成しているので、我々は注視する必要が有ります。

以前に指摘したように、IBMはSystem xのビジネスを昨年10月にLenovoに売却したので、Systems Groupの数字を真に比較するのはなお難しいといえます。IBMにおけるコアとなっているシステムのビジネスに目を向けたいと思います。IBMのソフトウエアはサービスあるいはサーバーとストレージから実際には分離しておらず、言えることは、IBMのビジネスにおけるシステムの真の強さを示してはいないということです。

IBMのコアであるシステムビジネス(これにはサーバー、ストレージ、オペレーティングシステム、ミドルウエア、メンテナンス、及びファイナンスが含まれます)の第3四半期の売上は約67億ドルであったというのが我々の推測です。コアであるサーバー、ストレージ、オペレーティングシステムがその内約21億ドルと思われます。

我々が主張したいのは、International Business Machinesは、モバイルだ、ソーシャル、クラウド、アナリティクスだと大声で主張していますが、依然システム会社だということです。

IBMはクラウドによる収入が現在94億ドルであり、そのうち45億ドルがSaaSサービスによるものであることを明らかにしています。このことは残り49億ドルはインフラとプラットフォームのクラウドサービスによる収入、それに加えてプライベートクラウドによる収入であることを示しています。4年前の第3四半期が終わったとき、当時のプライベートSoftLayerは100,000台を越えるサーバーで8千5百万ドルの売上であることが明らかにされていました。IBMが2013年の夏にSoftLayerを22億ドルで買ったとき、我々はIBMにおける2013年のSoftLayerの年間収入を4億ドルと推測しました。IBMがGoogle、Microsoft、AWSと同等の成長を遂げてきたと仮定すれば、SoftLayerの年間収入は現在約13億ドルと考えられます。Amazon Web Serviceの年間売上は69億ドルです。

SoftLayerは、IBM iとAIXを稼働させる機能を有するクラウドにコストの低いPower Systemsを据えて、インストールベースのモダナイズを支援するために力を尽くすべきだと私は考えます。性能を廉価、快活にして、時間とともにボリュームを高めてゆくことです。価格は上げるべきではなく下げてゆくべきであり、それはスケールによってのみ達成が可能です。これがAmazon Web Serviceの実践していることです。IBM iの熱烈な125,000の顧客を世界に広がるSoftLayerのPowerクラウド上に確保することが、これらの顧客をMicrosoft Windowsに失うよりもはるかに望ましいことです。これにはそれほど多くの出費を要しません。

当該第3四半期、IBM全体としての売上は13.9パーセント減で192億8千万ドル、純利益は29億5千万ドルでした。IBMは前年度、損金処理を行って純利益をほぼ全額帳消しにしましたが、この会計処理を行っていなければ、当期の純利益は前年度を下回っていたと考えられます。

「IBMさん、目を覚まして!」自身のPowerクラウドを構築して、機能、ソフトウエア、サービスをビジネスパートナーに販売させてください。クラウドを構築することでPower Systemsの売上を伸ばすことができ、そのコストは数年にわたって償却することができます。そして顧客が多くの機能をすぐに利用できるようにPowerクラウドに顧客を馴染ませることを望むものです。

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