2016.06.09
Dan Burger著

IBM i 7.3、4月15日提供開始、7.2 TR4は5月に

いよいよこの日を迎えました。今日は、IBM によるi 7.3のアナウンスの日です。i 7.3は4月15日(金)に提供開始されます。i 7.2用のテクノロジー・リフレッシュ(TR4)は、5月20日に提供開始されます。新しいOSリリースとは、未来を垣間見ることです。一部の皆さんにとっては、その未来は今です。その皆さんとはアーリー アダプター(早期採用者)のことです。アーリー アダプターとは、何年も前から拡張アナリティクス機能に対するバグ情報をIBMに要望を寄せたり、注意すべきセキュリティ問題の対応に協力してくれる人々です。
今回のリリースは、チーフ アーキテクトのSteve Will氏の長期戦略に沿った形で、このプラットフォームで開発を行う人に向けて、より多くのオプションを提供するものになっています。オープン ソース サポートが拡大され、RPGの機能が強化されています。

製品情報01

「このプラットフォームを使用する理由がデータのためだ、ということを我々は承知しています」とWill氏は述べます。「ワークロードは変わりました。顧客はOLAPに関心を持っています。我々はデータ セントリックな機能強化に努めています。そして、セキュリティ上の最大のジレンマは、多くのユーザーが、機密データに接するための権限を必要な以上に多く持っており、正しい権限とユーザーとをマッチさせることが難しくなっていることです。」
i 7.3における大きな機能強化としては、DB2 for iのテンポラル サポート、SQLのOLAP機能の強化、およびセキュリティ権限コレクションの3つが挙げられますが、これらはi 7.3でのみ使用できる機能です。7.3に移行するには、Power8、Power7+、またはPower7ハードウェアが必要です。

製品情報02

「新しいリリースに組み込まれた機能を求めるユーザーは常にたくさんいます。そうしたユーザーは長い間、新しい機能を待ってくれているわけです。彼らはすぐにも新しいリリースに飛び付いてくれます」と、IBM iのプロダクト オファリング担当マネージャー、Alison Butterill氏は述べます。その後、アップグレードのペースは、2年の間は、ゆっくりとしたものになることが予想されます。i 7.2はリリースから2~3年が経ちますが、我々の推定ではアップグレードを行っているのは、インストールベースの20%足らずです。
『 IT Jungle 』では、金曜日に行われた30分間の正式発表前のブリーフィングで、この新しいOSについてWill氏およびButterill氏に話を聞きました。

テンポラル サポート

IBM iプラットフォームは、トランザクション負荷を一気に処理できることで定評があります。分析機能の面では、やるべき仕事はいくつかあります。その手始めにテンポラル サポートはふさわしい機能です。IBM i陣営のSQL支持者はテンポラル サポートのことを耳にしたら、とても喜ぶことでしょう。一見、矛盾するような言い方かもしれませんが、テンポラル サポートは、過去のドアを開けることによって未来へと通じるような機能です。テンポラル サポートでは、SQLプログラマーは、過去のある時点に戻って質問を尋ねているかのようにデータを照会することができます。
「DB2はトランザクションの追跡に優れています」とWill氏は指摘します。「それはどのデータベースでも当たり前のことです。データベースとはそういうものです。しかし、テンポラル サポートは、現時点でのデータと、過去の任意の時点でのデータとを比較するためのものです。過去からのデータを追跡することは、一般的にはデータベースの機能ではありません。
「以前は、データのスナップショットを取り、調査できる場所にデータを置いて、解析作業を行っていました。データを置くスペースが必要になりますし、データの管理も必要です。今回の機能強化では、そうした機能がデータベースに組み込まれました。」
この機能は、すべてのDB2データベースに組み込まれています。Microsoft SQLおよびOracleには、テンポラル サポートが追加されています。オープン ソースのデータベースではテンポラル サポートはありません。

OLAP(オンライン分析処理)

この30年の間、IBMミッドレンジの世界で中心的な存在だったのは、オンライン トランザクション処理(OLTP)でした。レポートを作成する際は、データの行を読み取り、そのデータを解析する作業が必要でした。OLAPが、SQLに組み込またことで、データについて問い合わせすれば、労力のかかる作業を一切行うことなく回答が得られます。たとえば、マーケティング費用支出を基に販売を予測するようデータベースに問い合わせると、OLAPが回答してくれます。
何人かのIBM iユーザーは、そのような問い合わせの回答を得るのにCognosを使用したことがあるかもしれませんが、この場合は、オペレーターが、システムからデータを取り出すプログラムを書き、その後、オペレーター自身で計算を行っていたことでしょう。
データベースに組み込まれたOLAP機能では、リアル タイムにデータについて問い合わせることができ、システムからデータを取り出す手間はありません。SQLプログラマーがクエリを書けば、たとえば、過去3年間と比べて今年の商品販売はどんな具合かといった質問の回答が得られます。
水曜日発行の『 The Four Hundred 』ニュースレターの記事の中で、『IT Jungle』のAlex Woodie氏が、このようなアナリティクス機能のトピックについて深く掘り下げています。

セキュリティ権限コレクション

必要以上に多くの権限が、ユーザーに付与されがちであることに関しては、多くの理由があります。いずれも実用上、重大なことばかりです。(この点については、今号のニュースレターの別の記事 「 Testing For Security Inadequacies 」に詳しい記述があります)
「オペレーターならジョブを実行できればよく、データを変更できる必要はありません」とWill氏は語ります。「ポリシーはあるのですが、企業の側でポリシーを守ることが徹底されていないのです。15年前、企業がすべてのユーザーに権限を付与することは珍しいことではありませんでした。「安全のために」そうしていたのです。つまり権限を必要としたユーザーが、締め出されることがないようにです。今では、ユーザーが持つ権限が多すぎて、権限が濫用される事態が懸念されています。」
結局のところ、そのジョブを行うには、どのレベルの権限が必要かを把握することが大事であり、それこそが今回の機能強化の肝となっています。この新機能では、あるユーザーが行っている作業を追跡し、使用しているプログラム、データ、オブジェクトを特定し、その作業を行うのにそのユーザーにどのような権限が必要かを判定します。また、そのユーザーがその時点で持っている権限も特定します。最終的には、一個人に対して、どの時点で必要以上の権限が付与されたのかが明らかになります。
この機能はIBM iのセキュリティ ベンダーの間でかなり好評を博すだろうとWill氏は考えています。1つの理由は、プロセスが複雑だからです。スタッフが少ない企業では、こうした分析に自身で取り組むことはなさそうです。
このツールはオブジェクト レベルで追跡を行い、ナビゲーターおよびSQLを使って実行します。
IBM i 7.2用のTR 4は、残りの機能拡張を共有することによってi 7.3と同じように機能します。

オープン ソース

IBM iには、PHP、Ruby、Node.js、およびPythonなどをサポートするオープン ソース コンポーネントの強力なコレクションがあります。このコレクションにGitとOrionが加わります。いずれも開発者から強い要望があったものです。
Gitは、コラボレーション、開発追跡、変更管理、およびソース管理に使用されます。
Orionは、オープン ソースのソフトウェア開発環境です。
「オープン ソースをベースにしたコンポーネントが、世界各地で、さらに多く導入されています」とButterill氏は述べます。「この2年の間、オープン ソースについての顧客からの問い合わせが劇的に増えています。」

RPG

RPGの開発は、Open Access(2010年)およびフリー フォームRPG (2013年)のサポートを中心にして行われてきましたが、Will氏によると、その後、いくつかの小さな機能のサポートが追加されたそうです。これらの仕様書が待たれますが、一部のフリー フォーム サポートが廃止されたことと、パラメーターが追加されたことについては言及されました。完全なドキュメンテーションが公開されれば、COBOL開発者は、どのようなサポートが追加されたかについても知ることになります。

PowerHA

IBMのPowerHAの最新バージョンは、バージョン7.2となっていますが、i 7.2およびi 7.3上で稼働します。PowerHA 7.2が以前のバージョンのPowerHAと異なる点は、ストレージ エリア ネットワーク(SAN)とより緊密に統合された点です。最新バージョンでは複数対応になりました。以前は1つのSANに制限されていましたが、最新バージョンでは、2つとなっています。クラスタリングしている人はいますか? 2つのSANを組み合わせて使うことにより、プライマリHA環境からもうひとつのHA環境への素早い切り換えが可能になるため、1つのSANに障害が発生した場合に極めて有効です。

Web Query

Web Queryには、いくつかの機能が追加されました。もっとも興味深いのは、追加のソースからのデータをIBM iから取り出したデータと集約し、それを基にレポートを作成する機能です。
「MySQLや、MySQL後継のMaria DBに関連付けられたデータはたくさんあります」とWill氏は指摘します。「MySQLのデータをIBM iへ取り込んだショップも一部にはありますが、iでホストされていないデータで、まだ業務に重要なものがたくさんあります。

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