2016.07.28
Dan Burger 著

あなたの知らないIBM i Accessの世界

IBM iの開発チームがAccess Client Solutions (ACS)を公開して約3年が過ぎました。開発作業は今でも進行中のままですが、それはよいことです。ITの墓場には、開発を続けられなかった製品がたくさん眠っているからです。ACS以前には、Access for Windowsがありました。この製品は進歩という意味では片足を棺桶に突っ込んでいて、脈拍もなくなっていますが、今もなお、非常に多くのIBMミッドレンジ ショップで目にします。

ACSの開発のペースは、むやみに速くはないが着実であり、IBMが開発費をどこにどのように費やしているかの指標になっています。ただ、あまり注目はされていません。機能強化について、公式な発表は行われないのです。どちらかと言えば、リークされるといった感じです。IBM iのアップデートが発表される、4月と10月のテクノロジー・リフレッシュ(TR)のスケジュールとは、製品サイクルがずれているので、公式発表の数か月前に利用可能になった製品について耳にすることもよくあります。4月にi 7.3の発表があった今回は、タイミングはよかったようですが、ACSの機能強化はかなり小幅なものでした。10月の次回のテクノロジー・リフレッシュの前には、大幅に強化された機能が利用できるようになるようです。ただし、そうした機能強化については、公式にはTRの時までは、やはり言及されることはなさそうです。

アプリケーション開発担当のIBM iビジネス・アーキテクトのTim Rowe氏も、やはり今度の機能強化について具体的にコメントはしていませんが、過去に重点が置かれた分野から推測してみるとよいのでは、というヒントを出しています。これを手掛かりとすれば、データベースということでしょうか。Rowe氏はまた、DB2 for iビジネス アーキテクトのScott Forstie氏と彼とで、来週、ルイジアナ州ニューオーリンズで開催される、COMMON Annual Meeting and Expositionの研修セッションで、ACSについて講演を行う予定だと話しています。これも、近々行われるACSの機能強化がデータベースに関するものだという、もうひとつのヒントなのかもしれません。

製品情報02

4月に追加されたACSツールは、小さな手直しでしたが、製品ロードマップに沿ったものでした。私たちは、常に派手な打ち上げ花火を期待しがちですが、小さなものでも何もないよりはありがたいものです。それでは、今回の小さな手直しについて、見てみることとしましょう。

日々、ACSを使用するユーザーには、最小限行うべき作業があります。要するに、5250エミュレータであり、スプール ファイルの監視および管理です。それが基本です。ACSでは常にスプール ファイルを表示できますが、それだけでした。ファイルの移動、ホールド、削除、解放など、ファイルの管理を行う際は、ACSではなく、古いAccess for Windowsツールを使用する必要がありました。しかし、今はそうではありません。「ACSのユーザーが増えると、フィードバックも多くなります」とRowe氏は述べます。「ユーザーが思っていることを知らせてくれることが、私たちが何かを行う契機になるのです。」

通知機能がサポートされた理由のひとつもユーザー フィードバックがあったからでした。新たな機能強化の通知は、年に2回のテクノロジー・リフレッシュの時のみで、また、TRが予告なく行われることが多いのは周知の事実です。ACSユーザーは、インクリメンタルアップデート(差分更新)の利用可能時期を知りたいという要望をフィードバックすべきです。

この通知は、スマートフォンのOSアップグレード通知と似ています。まる一日通知を無視すると、2回目の通知が来て、アップグレードが完了するまでこれが繰り返されます。ただし、これはデフォルト設定ではありません。最新のACSをダウンロードした時に、ユーザーは通知機能をアクティベートする必要があります。

Rowe氏が「インクリメンタルアップデート」と呼んでいるもうひとつは、Run SQL Scriptsの機能強化です。ACS用のRun SQLインターフェースは2015年12月に提供されました。Rowe氏は今回のアップデートを、iAccess for Windowsからうまく変換できなかったスクリプトの一掃と評しています。

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「SQL言語には、サポートされている一定の構文セットがあります」とRowe氏は述べます。「iAccess for Windowsのユーザーが独創的なコーディングを行った(構文として正しくなく)場合、ACSでは動きません。」

ACSの開発では、アジャイル・デリバリーの手法が採られているので、ユーザーが求めるすべてのツールを手にするべく、継続的に開発が進められています。

「Run SQL Scriptsがよい例です」とRowe氏は述べます。「Access for Windowsバージョンにあったすべての機能が、ACSのオリジナル バージョンに引き継がれたわけではありませんが、ACSは有用かつ機能的であり、いくつかの点で機能が改善されています。今後数か月のうちに追加のアップグレードが行われ、全体像が明らかになるでしょう。どのような機能を提供するか、どのようにすれば適切な形で提供できるかについて、現在、検討を行っています。準備が整い次第、提供します。また、それ以降も、さらに多くの機能を追加していく予定です。」

今回の機能強化のもうひとつは、Run SQL ScriptsがRational Developer for iに組み込まれた点です。また、スプール ファイルビューアおよび管理も、RDiに統合されました。Rowe氏は、今後RDiとACSとの統合はさらに進む、と述べます。

「昨年、Rational チームがソフトウェア グループから、IBM i開発チームの一部門へと異動になりました」とRowe氏は述べます。「以前は、RDiとAccess for Windowsとのより緊密な統合が繰り返し求められていました。データベースツールへのアクセスが追加されるので、Run SQL ScriptsとVisual Explainは、ACSに統合され得る2つのツールです。」

今後のさらなる統合が楽しみです。Visual Explainは、サポートされるようになれば、RDi内で提供されると思われます。

ACSに関しての、興味深い余談を2つ。1つは、ACSツールがオペレーティング システムのV5R4までさかのぼって稼働するということです。ただし、i 7.1より古いOSでの技術サポートの提供はIBMに期待してはなりません。もうひとつ、期待できないことは、IBMによる、ACSダウンロード数の公表です。ダウンロードは、修正パックが出るたびに、トラッキングでき、計測できるようになっています。Rowe氏によると、修正パックが出るたびに、ダウンロード数は千単位で増えているそうです。

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