2016.12.22
Dan Burger 著

IBM iのオープンソースロードマップにPerlが登場

IBM i上でのオープンソース開発のサポートは、テクノロジー・リフレッシュ(TR)プログラムにとって一大事でした。つい先週の最新のTRの発表では、Node.jsの最新バージョン(v6)のサポートとともに、Perlのサポートが追加されました。これまでのTRでは、RubyやPythonのようなプログラミング言語や、GNUコンパイラ コレクション(GCC)、Gitといったツールのサポートが追加されてきました。PHP言語、Eclipse統合開発環境、およびApache Webサーバーは、TR以前からのオープンソースの追加機能です。

Node.js、Python、Ruby、およびPHPと比べてPerlでは、新たなアプリケーション開発という面ではあまり盛り上がっているとは言えないようです。かつてPerlは、ビッグ スリー(Perl、Python、PHP)の1つだったとコンサルタントのAlan Seiden氏は述べます。iでのオープンソース サポートについて彼とメールで意見を交わしました。PHP分野の専門家(SME)であるSeiden氏は、PHPがCで書き直される以前、もともとPHPはPerlスクリプトを置換するマクロ言語だったとすぐさま指摘しました。Perlスクリプトは、数多くのオープンソース ソフトウェアの下に隠された形で使用されています。

Perlは、依然として非常に高い人気を維持しており、オープンソースにおいて重要な役割を果たしています。IBM i上でのPerlのサポートは、Perlを使用しているIBM i開発者を刺激するものというよりむしろ、Perl開発者がIBM iに慣れ親しむための通り道となる可能性が高いように思われます。

Perlでは、精力的な開発者コミュニティよって構築されてきた数多くの有用なツールが提供されています。CPAN(Comprehensive Perl Archive Network)には、173,615個のオープンソースのPerlモジュールが公開されており、ダウンロードして使用できるようになっています。OpenSSLのようなオープンソース プロジェクトの構築環境において果たす役割と同様に、シェル-スクリプトの強化機能やリプレース機能は注目に値します。

製品情報01

「Perlは、多くのオープンソースプロジェクトによって必須のスクリプト言語として使用されています」と、IBMのソフトウェア技術者であり、2015年12月にCOMMONが開催したIBM i Open Source Forumでスピーカーを務めたKevin Adler氏は述べます。「autoconf/automakeのようなツールは、本質的には大きなPerlスクリプトであり、Gitには、Perlを必要とする多くのインタラクティブな機能があります。」

Gitは、オープンソースのバージョン管理ソフトウェアであり、こちらもIBM iでサポートされています。Gitは大変ポピュラーですので、サポートされるのは良いことと言えるでしょう。

同じくIBM i Open Source Forumでスピーカーを務めたPete Helgren氏は、Perlを使用してきたわけではありませんが、道具箱の中の道具が増えることは、IBM iおよびIBM i開発者にとって非常に良いことであると考えます。

「オープンソースソフトウェア(OSS)製品が追加されるたびに、卓越したプラットフォームはさらに有用で、統合化されたものになります。IBM iは、Apple iOS、Microsoft Windows、およびLinuxのような、よく使われているOSに追い付こうと頑張っていると言う人もいるかもしれません。けれども、OSの統合や管理のしやすさという点から、クラウドのようなよりシンプルなソリューションが求められる昨今ですが、我々のように、クラウドのセキュリティ上の問題や、稼働が止まる可能性があることが気に入らないものもいます。我々は、「自分で作ったドッグフードを食べたい(eat our own dog food)」のです。IBM iは、ますます多くのOSSクロス プラットフォーム ツールを単一のプラットフォームに取り込みつつありますが、私個人としては、そうした現状や将来像を好ましく思っています。」

IBM iのアプリケーション開発担当ビジネス アーキテクトのTim Rowe氏は、Perlのことを「IBM i上でのオープンソース開発者が、より自然な形で開発を行えるようにする手助けをする、鍵となるコンポーネント(次の論理ピース)」と説明します。「エコシステム全体の構築が促され、i上のオープンソースが他のどこにでもあるオープンソースのように機能するようになるのです。オープンソースは、IBM iコミュニティの多くのユーザーにとってだけでなく、開発ラボにいる我々にとっても主要な重点分野であり続けます。」

IBM iの開発チームは、約15年に渡ってオープンソースに投資してきました。しかし、この2年間は、TRプログラムを通じて迅速に機能強化を提供してきたことで勢いを増しています。オープンソースのエコシステムは、将来のITの世界で優位性を確立する(一部の人々がそう予測している)ために準備をしているといったところです。

言い換えれば、今後のTRでは、さらに多くのオープンソースが提供されると期待してよいでしょう。Rowe氏は、IBM i 7.3 TR1およびi 7.2 TR5を概観して、たとえば、curl(データを転送するためにコマンド ラインまたはスクリプトで使用)、PeaZipのような圧縮ツール、およびセキュリティ ツールといった、我々も期待している他の論理ピースについて言及しています。

Helgren氏とAdler氏とともに、Open Source Forumでスピーカーを務めた、オープンソース エヴァンジェリストのAaron Bartell氏は、Perlをサポートする強力なコミュニティの存在を指摘します。IBM iコミュニティでお分かりのように、コミュニティのサポートは大きな要素です。

「言語はそのコミュニティで命運が別れます」とBartell氏は述べます。

「Perlは、IBM i上で新たなアプリケーションのための基盤として用いられるでしょうか。私はそうは思いません。あるいは、少なくとも使用頻度の点ではそうはならないでしょう。それよりも、Perlは、管理、ユーティリティ、および自動化のためのユーティリティ言語として用いられるのではないでしょうか」と彼は予想します。

「IBM iコミュニティがどの程度までPerlを活用するか、私には分かりません」と、IBMのソフトウェア エンジニアのAlder氏は述べます。「IBMではすでに、Node.jsやPythonのほか、BASH(入力されたコマンドを読み取り、実行し、出力を返すオープンソースのインターフェース)も提供しているため、スクリプティングはほとんどカバーされています。ほとんどのIBM iのRPG開発者は、Perlに比べてPythonの方がずっと覚えやすいと思うのではないでしょうか。」

「そうは言うものの、IBM i上に豊かな言語エコシステムを持つことは、大変喜ばしいことです。それは、我々のプラットフォームに対等の競争力をもたらします」とBartell氏は付け加えます。

「オープンソースの世界への関心はもっと高まっていくと考えています」と、Rowe氏は1年前の『IT Jungle』のインタビューで述べています。「企業は、こうした技術の下で様々なアプリケーションのコンポーネントを作成することに目を向けています。しかしながら、どういうものが本番環境で使わるのかは、見分けるのが難しいところです。

Node.jsが提供されてから1年以上になるため、私は、IBM iコミュニティの様々な分野の開発者から、さらに多くのコンポーネントはいつ導入されるのかと尋ねられてきました。また、カンファレンスの際のセッションへの参加者数も増えています。」

Perlサポートは、11月11日より、IBM i 7.1、7.2、および7.3で利用可能になります。

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