2017.06.22
Dan Burger 著

IBM iの魔法の秘密が明かされる

IBM iのショップは、RPG指向のスタッフを魔法使いに置き換える手立てを見つけることができるでしょうか。多くのケースにおいて、すでに置き換わっているというのがその答えです。実のところ、RPGスタッフこそが魔法使いだったのです。彼らは、約30年もの間、アブラカダブラと呪文を唱えては、より少ない労力で、より多くの成果を上げてきました。このような魔法使いを雇用している気の利いた企業は、投資した新たなテクノロジーに対して、ITスタッフの「より少ない労力で、より多くの成果を得る」魔法を継続的に利用してきました。

そうした新たなテクノロジーのうちの1つが、今日のマネージド サービス プロバイダーであり、これにより、システム管理の作業は消えてなくなり、IT魔法使いには、たとえば、データベースのモダナイゼーションのような、新たな活躍の場が与えられます。

IBM iのショップは競争力を保つべく奮闘していますが、いくつもの課題に直面しています。急増するテクノロジー コストと、ゆとりのないIT予算との間に生じるあつれき。既存のアプリケーションへ投資された知的資産は維持し、活用することが必要であるものの、アナリティクス、クラウド、モバイル、およびデータベース エンジン テクノロジーの進歩を無視することはできない。そして、データベースのモダナイゼーションを通じた問題解決は、ほとんど手つかずのままになっている。

「初期の頃は、開発者はモノリシックなプログラムを作成することを強いられることがよくありました。コンパイラの制約のために、それが当時のプログラミング モデルだったのです」とMarinus van Sandwyk氏は指摘します。「大ざっぱに言えば」、これらのモノリシックなプログラムにおける命令行の80%は、データベースの関係構築およびデータベースの妥当性検査を処理するものでした。そのうえ、機能はほとんど分離されていませんでした。その結果として、メンテナンスはますます問題の多いものになりました。現在、莫大なメンテナンス バックログやイライラしたユーザーを目の当たりにしてわかる通りです。」

van Sandwyk氏は、データベース モダナイゼーションの業務に従事しています。彼は、DB2 for iのモダナイゼーションを専門としている企業、 TEMBO Technology Lab社の創業者兼CEOです。同社は先日、『The Essential Guide to IBM i Database Modernization』と題するホワイト ペーパーをリリースしています。

製品情報01

「IBM iのショップは、データベースをモダナイズする必要性は痛感しています」と彼は述べます。「けれども、ほとんどのショップが、どこから始めたらよいかまったくわからないようです。彼らは「analysis paralysis(分析麻痺)」の状態に陥っているのです。」

今日でもまだ多くのケースで使用されている古いデータベース技術は、DB2の能力を最大限にまでは利用しきれていません。たとえば、アプリケーション開発レベルでコーディングの量を削減させたり、他のデータベースとの統合性がより高いデータベースを作成したりすることが可能なのです。それは、アプリケーション投資を評価しては再投資する企業にとって、生産性のボトルネックであり続けています。また、モダンなデータベースは、データベース統合がますます重要になってゆくと予見する人々にとっての優先プロジェクトになります。

データベースを現状のままにしている理由には、文化的な好みや、スキルへの投資不足や、モダンなデータベースがもたらすメリットについての誤解などがあります。DB2はモダンなデータベースです。そのようなものとして使用されていないだけなのです。

「平均的なIBM iプログラマーは保守的だ、と言われていることは驚くべきことだと思います」とvan Sandwyk氏は述べます。「我々の認識はまったく逆です。開発者が古い手法へ戻る理由は、急ピッチで機能を提供するよう求める経営幹部レベルからのプレッシャーのせいなのです。それがデータ セントリックな設計構築への移行を妨げているのです。段階的に移行していく仕組みがあれば、IBM i開発者は新しいやり方をすぐに採用します。それを実践したクライアントもいるのです。」

データ セントリックな開発では、データの追跡管理やセキュリティ確保に際して、データベースが担える役割が多くなります。SQLがデータベース言語になりますが、一部の開発者にとっては、新しい髪形に変えるようなものなのかもしれません。アプリケーション側では、IBM iプログラマーによるSQLの使用は、ここ数年、ゆっくりですが着実に増えてきています。データ セントリックなデータベースへの重視は、まだそのメリットを享受できてはいません。

ユーザー インターフェースを優先させて、モダナイゼーションの道を歩み始めた企業もあります。そうしたプロセスから、モダナイゼーションによるメリットを享受できそうな他の領域へ続くドアが開かれることがよくあります。一番わかりやすいのがデータベースです。

「アプリケーション モダナイゼーション プロジェクトが必ずしもデータベースに焦点を絞るわけではないのであれば、既存のデータベースにプレッシャーを与えるのは企業の成長です」と、IBM iビジネス アーキテクトのTim Rowe氏は、2015年の『IT Jungle』 のインタビューで述べています。「SQLは、成長しつつあり、成長し続けると予測されるデータベースにとっての解決策になり得ると認識されていますが、そうした認識こそが、データベース モダナイゼーション プロジェクトを後押しするもう一つの要素になります。」

「すべての人がデータベースを完全にモダナイズしようとするわけではありません」とRowe氏は述べます。「しかし、モダナイゼーションを実現するためのコンポーネントがあり、そのテクノロジーを活用したいという思いもあります。私が知るプロジェクトの多くは反復的に行われています。企業は、時間を掛けて、モダナイズするデータベースの部分を選りすぐるわけです。そうすることにより、メリットをもたらしてくれる小さな部分から手を付けることができるのです。」

「弊社の方針は、維持しつつモダナイズする、というものです」とvan Sandwyk氏は述べます。「求められているものを提供していないアプリケーションの構成部分に焦点を絞ります。できる限り混乱が生じないようにするべきです。混乱が生じれば、リスクが増え、ユーザーからの反感が大きくなります。」

データベース投資を行ってこなかったIBM iのショップは、低成長やゼロ成長に陥っているのでなければ、将来を左右する、もう先送りできないいくつかの意思決定を迫られています。収益増につながる確信がなければ、IT運用予算を増やすことに躊躇するのは当然のことです。

直近の Computer Economics社の『IT Spending and Staffing Report』 によると、IT予算を増やしている企業の数は2013年以降で最も少なくなっており、そうしたIT投資を行っている組織のうちでも、IT運用予算において見込まれる増加額はわずかに2%とのことです。

効率性および生産性の向上は、コスト削減と結び付いています。そしてそれは収益増の一因となるものです。しかし、他のデータベースとの統合性が改善されることも、もうひとつの要因となります。サプライ チェーンのビジネス パートナーや、企業間(BtoB)取引の顧客が使用しているデータベースとの統合性の改善です。

「外の世界からのDB2 for iデータベースについての認識は、厄介なものです」とvan Sandwyk氏は述べます。「我々は外の世界とは異なったふうにデータベースを定義します。6~8文字のフィールド名は、レガシーなデータベースであることの象徴となっています。外の世界の人には、命名規則を説明するための技術者が必要です。SQLデータベース エンジンへの移行は、平均的なIBM i開発ショップにとっては大きなハードルです。スムーズにうまく移行を行うためには、段階的に行うことが必要となりますが、DB2の機能を最大限に活用するスキルも、利益をもたらすデータ セントリックな開発スキルの一部であることを忘れないでいてほしいと思います。」

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